深くて思い展開に痺れました。
ベインの凶悪な雰囲気と存在感が素晴らしい。
キャットウーマンもアバズレ的ないい味を出してる。
警部のゲーリー・オールドマンは弱々しいのに高潔で渋い。
若手警官役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、知らなかったが、目力がセクシー。いいなあ。
ストーリーはめくるめく展開を見せ、意表を突く伏線もタップリ。大満足です。
妙に気になったのはゴッサム市民にベインが自由を与えたと宣言する奇天烈なシチュエーション。
ベイン軍によるゴッサム市に対するクーデターであるのだが、現代を暗喩的に表現している。
警官が地下に閉じ込められる = ゴッサム市は警察権力を喪失
刑務所が開放され、自警団を形成 = ベインが警察権力を掌握
富裕層は暴徒により資産を強奪される = 暴力による富の再配分
市民は移動の自由を制限される = 核の恐怖による支配
司法は無法化。死刑か追放(≒死刑) = 恣意的な逮捕による強制処分
報道は無力化。報道の自由喪失 = ベインのプロパガンダ
核爆弾爆発へのカウントダウン = ゴッサム市の崩壊
核の恐怖に支配され、行政権・警察権・司法権を喪失し、移動と表現の自由を喪失したゴッサム。
こんなに恐ろしいテロ行為は起きて欲しくないが、現実に起きる可能性が無いとは言えない。。。
映画の中では、バットマンとネコ娘が立ち上がり、警察官の良心を奮い立たせ、市民を守ったが。
現実の世界にはヒーローなんていない。人間一人一人の良心を奮い立たせて生きていくしかない。
なんてことを伝えてくれたのかなあと考えてしまいました。